角膜の構造としくみ

レーシックなどの視力矯正手術は、角膜の形を矯正することによって、視力を向上させることができます!

ここでは、角膜の構造やしくみと、角膜が一体どのように視力矯正手術と関わっているのかを、取り上げています。

角膜の構造

角膜の構造は、下図のように一番外側から、
・角膜上皮層
・ボーマン膜
・角膜実質層
・デスメ膜
・角膜内皮層

の3つの層と2つの膜で、作られています。

角膜の全体の厚みは、中央部で約0.5ミリ、外側の周辺部で約0.7ミリで、直径は約10ミリ〜12ミリ程度です。
角膜の表面はいつも涙で満たされ、細菌の感染や乾燥を防ぐ、構造になっています。

レーシックのエキシマレーザーで矯正される部分は、この中の角膜実質層になります。

<角膜の構造>
角膜の構造



角膜のしくみと働き

<角膜上皮層>
角膜上皮層とは、角膜の一番外側にある層で、外部からのホコリやゴミ、細菌などから、角膜を保護する働きがあります。

角膜上皮層は、たとえ外部の刺激でキズがついたときでも、それを修復する機能(再生機能)があり、エピレーシックラセック(LASEK)PRKの手術をしたときでも約1〜2週間ほどで再生されます。

角膜上皮層そのものも、いくつかの層に分かれていて、一番下の「基底層」と呼ばれる部分では、盛んに新陳代謝が行なわれ、新しい上皮細胞を作り出しています。

新しい上皮細胞は、順に角膜上皮層の上に移動して、古い上皮細胞と入れ替わります。それによって、古い上皮細胞ははがれ落ちて、涙とともに排出されるしくみになっています。

ちょうど、私達の皮膚と同じように、常に新しい細胞に生まれ変わっているのです。


角膜上皮層の厚みは、約0.05ミリで、痛みを感じますので、レーシックなどの視力矯正手術では、点眼薬で局部麻酔してから、手術になります。

この角膜上皮層だけで、フラップを作る手術には、エピレーシックとラセック
(LASEK)があり、レーシックで作るフラップと区別して、「上皮フラップ」と呼ばれています。



<ボーマン膜>
ボーマン膜とは、角膜上皮層の下にある、コラーゲン繊維でできた、非常に薄い膜で、19世紀にウィリアム・ボーマンによって発見されたので、この名称がついています。

ボーマン膜は、痛みを感じることはなく、その厚みは約0.01ミリほどで、再生能力はありません。

ボーマン膜の働きは、角膜上皮層のベースとして、角膜の強さを保つと言われていますが、手術で取り除いたとしても、視力に影響することはありません。


エピレーシック、ラセック(LASEK)、PRKなどの手術では、ボーマン膜を完全に取り除きますが、それによって視力に障害が起ったという報告は、今のところ一切ありません。

このことから、ボーマン膜はそれほど大切な働きや役割がないという、研究結果もあるようです。(今後の研究によっては、新たな役割が発見されるかもしれません。)



<角膜実質層>
角膜実質層とは、角膜の中心部分を構成している層で、角膜全体の9割前後をしめ、約0.4〜0.5ミリほどの厚みがあります。

たんぱく質とコラーゲン繊維がきれいに並んで作られていて、キズを修復する再生機能はほとんどありません。


現在、行なわれている視力矯正手術のほとんどは、この角膜実質層にエキシマレーザーを照射して、この層の形を矯正(削る)して、視力を向上させる方法になっています。

中でも、レーシックウェーブフロントレーシックイントラレーシックは、
角膜上皮層+ボーマン膜+角膜実質層の一部を切って、フラップを作る手術方法です。

このため、角膜実質層の薄い方や強度の近視の方は、手術できないこともあります。

(角膜実質層が薄いと、それだけエキシマレーザーで、矯正できる範囲が小さくなるため、手術しても効果がないためです。同じように強度の近視の方も、角膜実質層を大きく矯正する必要がありますので、同じことが言えます。)

角膜が薄い・強度の近視の方の場合、エピレーシックやラセック、PRKなどであれば、手術が可能です。

なお角膜実質層は、あまり痛みを感じる部分ではありませんので、手術後も痛みで悩まされることは、あまりありません。



<デスメ膜>
デスメ膜とは、角膜実質層の下にある膜で、角膜実質層と角膜内皮層をしっかりつなぎとめる、働きをしています。

厚みは0.01ミリととても薄い膜ですが、非常に強じんにできていて、角膜全体の形を保ち、外からの圧力に抵抗する力を持っています。

デスメ膜にキズがつくと、再生機能が働いて修復されます。しかし、これに問題があったときは、角膜の中央部だけが外に隆起する「円錐角膜」と呼ばれる病気になるときもあります。
円錐角膜になると、レーシックなどの視力矯正手術は難しくなります。



<角膜内皮層>
角膜内皮層とは、角膜の一番奥にある層で、角膜の組織に養分や酸素を、運ぶ働きをしています。厚みは0.05ミリほどで、再生機能はなく、一度キズがついたり損傷すると、生涯、再生されることはありません。

角膜内皮層の内部は、内皮細胞が高い密度で並んでおり、その数は22〜28億個ともいわれています。

レーシックなどの視力矯正手術では、この部分を治療することはありませんが、角膜全体への栄養と酸素を担う、大変重要な部分です。



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